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想像に乗ってゆけ。
GWだろうが何だろうが、仕事に追われているのはいつもと変わらなくて、
「ブログ書いてる暇があるなら原稿書け!」という天の声が聞こえてきそう
なのですが、でもこれだけはどうしても、いま、言っときたかった。


4月半ばのある日曜日の朝、けたたましいベルの音で目が覚めた。


自分は寝起きの悪さは天下一品なので、目覚まし時計のけたたましい
ベルの音に起こされるのは毎日のことなのですが、でもこの日は
なぜかいつもと音が違う。よく聞くと、窓の外から音が聞こえてくる。

「駐車場の車の盗難警報装置が誤作動でもしたんやろー」
勝手に解釈して(いや、この時は本当にそう思ったのです)、
何とか二度寝を試みようとするも、ベルの音はなかなか止まらない。

2~3分ほどすると、消防車のサイレンの音が聞こえてきた。
ここまできて初めて、「何か事件があったのかも…」という
気になり、ようやく窓から外を見てみる。

ベルは向かい側のマンションから鳴ってた。でも煙や火の手などは
自分が見る限り全くない。しばらく様子を見ていると、防火服を着た
消防隊員が、ホースを抱えて慌しく建物の中に入っていった。同時に、
たいした緊張感もなく、マンション住民が建物の外に非難してくる。

結局、原因は鍋の空焚きでした。
要するに、昨年8月に自分が住んでるアパートで起こった出来事が、今度は
向かいのマンションで起こった訳です。まさかあれから1年も経たない間に、
こんな再現VTRみたいな光景を生で見ることになるとは…。


で、この話は実は前フリで、本題は次のニュース。


 特急内で暴行、容疑の36歳再逮捕 乗客沈黙

 (毎日新聞 - 04月21日 23:31)

 大阪府警淀川署は21日、JR北陸線の富山発大阪行きの特急「サンダー
 バード」の車内で昨年8月、大阪市内の会社員の女性(当時21歳)に暴行
 したとして、滋賀県湖南市石部南、解体工、植園貴光被告(36)を強姦
 (ごうかん)容疑で再逮捕した。当時、同じ車両には約40人の乗客がおり、
 一部の乗客は異変に気付いたものの、植園容疑者にすごまれ、
 制止できなかったという。
 植園容疑者は、昨年12月にも同様に車内や駅構内で女性に暴行したと
 して今年1月、滋賀県警に逮捕され、強姦罪などで現在公判中。

 調べでは、植園容疑者は、昨年8月3日午後9時20分ごろ、福井駅を出発した
 直後に、6両目の前方から2、3列目にいた女性の隣に座り、「逃げると殺す」
 「ストーカーして一生付きまとってやる」などと脅し、繰り返し女性の
 下半身を触るなどしたという。さらに、京都駅出発後の午後10時半ごろから
 約30分間にわたり、車内のトイレに連れ込み、暴行した疑い。女性は車両
 前方のトイレに連れて行かれる途中、声を上げられず泣いていたが、付近の
 乗客は植園容疑者に「何をジロジロ見ているんだ」などと怒鳴られ、車掌に
 通報もできなかったという。(…)


テレビなどでも結構大きく報道されていましたが、自分が
最初にこの事件を知ったのは、mixiのニュース欄でした。

mixiはニュース欄を表示させると、そのニュースに関する日記を書いた人が
同時に表示されます。自分が見たとき、そこに表示されてた日記が、どうも
この乗客たちをかなり強く非難しているように見えたので、嫌な予感がして、
調べてみた。

で、このニュースに関する日記をmixi上で書いた最初の50人の論調を
調べて、いくつかのパターンに分類してみたのが以下の表です。
(※2つ以上の要素を含む日記も若干あったので、合計は50人にはなりません)


 ・乗客たちを非難する声 30人

 ・犯人への怒り、監視・厳罰を求める声 19人

 ・「自分なら通報できただろうか…?」的な自問自答 4人

 ・単なる「怖い」「悔しい」「悲しい」といった感想の表明 3人

 ・「乗客たちを非難する声」への批判 3人

 ・「こんな世の中だから仕方ない」 1人

 ・ネタとして扱う 1人


…案の定というか、嫌な予感は見事なまでに的中。
実に5分の3の人間が、この列車の乗客を厳しく非難していた訳です。

少し考えてみれば分かることですが、彼らの非難が正しいとすれば、
mixiユーザーの実に5分の3は異常時にも極めて冷静な判断力を保てる
人間であり、一方で、このときサンダーバードに乗ってた乗客40人は、
偶然、全員がそうした判断力を保てない「日和見主義者」だった、と
いうことになりますよね。

でも、確率的に考えれば、そんなことはほとんどあり得ない。
サンプリングに偏りがあるとはいえ、普通に考えて、mixiユーザーの
5分の3が冷静な判断力を常に保てる人だとすれば、この列車に
乗ってた乗客も、おそらく5分の3に近い人が、常に冷静な判断力を
保てる「と自分では思っていた」はずです。

mixiユーザーの大半は冷静な判断力を持つ人間だけど、この乗客40人は
たまたま全員残らず日和見主義者だった、という可能性は極めて低い。
だとすれば、このとき車内には、普段「自分は常に冷静な判断力を保てる」
と思っている人に対して、そうした冷静な判断力を失わせるような、
何らかの場の力学が働いていたと考える方が自然なはずです。


私はヒネくれた人間なので、この乗客たちを血も涙もない日和見主義者として
非難している人たちの方が、根拠もなく「自分は常に冷静な判断力を保てる」
と思い込んでいる人間であるように見えてしまう。

でも、もしも常に「冷静な判断力」を保っていたいと本気で思うのであれば、
このときこの車内で働いていた、大半の人間の判断力を狂わせてしまう
ような場の力学が、いったいどのようなものであったのかを考える必要が
あるはず。その力学自体を理解しないことには、抗いようもないのだから。

でもこういう人って、要するに「場の空気」を想像する=シミュレートする
能力が欠如している訳だから、実際に非常事態に直面したとき、本当に
冷静な判断力を保てるかは、極めて疑わしい。

(彼らは、自分で自分の「緊急時シミュレート能力の低さ」を宣伝してしまって
いる訳で、しかもそれに気づいていない点に至っては、もう救いようがない。)

少なくとも自分は、こういう最低限の想像力すら欠如した連中の
「正義語り」を、全く信用することができません。


では、このニュースはどう読むか?


 携帯わいせつ画像で口論、新婚の妻絞殺容疑の34歳逮捕

 (読売新聞 - 05月07日 10:55)

 警視庁町田署は7日、東京都町田市森野2、会社員川上仁志容疑者(34)を
 殺人未遂の疑いで緊急逮捕した。

 調べによると、川上容疑者は6日午後9時から同10時ごろの間、自宅
 マンションの一室で、妻の和子さん(28)の首を両手で絞めた疑い。
 和子さんは7日未明、死亡が確認されたため、同署は容疑を殺人に
 切り替えて調べる。死因は窒息死。

 川上容疑者は、携帯電話に保存していたわいせつ画像を和子さんに発見
 され、口論になったという。2人は、今年2月に結婚したばかりだった。

 川上容疑者から「妻を殺した」と携帯電話で連絡を受けた神奈川県内の
 友人が7日午前0時過ぎ、交番に駆け込んだ。


このニュースについても、既に200人以上が日記で触れていました。
きちんと調べた訳ではないけれど、もしも5分の3以上の人が、
わいせつ画像を見つけられてしまったこと「以外の」動機を想像する
ことなくこの夫を非難しているとすれば、やっぱり想像力がなさすぎる。

事件そのものと同じくらい、こっちの方も問題なんじゃないやろか。


(music: TAIFU /フジファブリック)

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2007/05/08 | social | コメント(2) | トラックバック(0) | page top↑
コメント
 初めまして、イオリスと申します。管理人さんは実に鋭いお考えをお持ちだと思います。
 mixiのユーザーも大半は現場を知らないから調子こいているだけの可能性が大きいですね。
 私は、そもそも40人いても気づいた乗客がどれくらいいたのかわからないと考えていますので、なんでここまで乗客を批判するのだろうか?とずっと思っておりました。植園が一番悪いのになあ。
 私がそのアンケートに答えるなら
・「乗客たちを非難する声」への批判
を選んだでしょう。人間は暴力に弱いのです。萎縮した人間にどうしろ、というのでしょうか?まあ、40人のうち35人以上が「利益にならないことはしない」という冷血漢ばかりという確率的には相当低い設定が必要ですね。

>でも、もしも常に「冷静な判断力」を保っていたいと本気で思うのであれば、このときこの車内で働いていた、大半の人間の判断力を狂わせてしまうような場の力学が、いったいどのようなものであったのかを考える必要があるはず。その力学自体を理解しないことには、抗いようもないのだから。

 この部分は、特に拍手を送りたい内容だと思いました。批判するだけなら犬でもできる。実際の場を想定した意見を言ってほしいですね。
2007/07/02 14:53 | URL | イオリス #uFFwaNnA [編集] | page top↑
>イオリス さま
こうストレートに褒められると、逆に照れますね(笑)。
過ぎたお言葉、本当にありがとうございます。

自分の専門外なので、もって回った言い方をしてしまいましたが、実は心理学の
分野では「援助行動研究」といって、1960年代からこうした際の「場の力学」に
関する研究が行われています。

いまも昔も、人は緊急事態に出くわした際にはとりあえず「傍観者」だった訳で
(その場にいる人が多ければ多いほど「傍観者」にもなりやすくなる。これを
援助行動研究では「傍観者効果」と呼びます)、こうした歴史的な経緯を
知っている/知らないという違い自体が、その場において援助行動を取れる/
取れないという違いにも結びついてくるような気がするのです。

>批判するだけなら犬でもできる

というイオリスさんの意見には全く同意しますが、メディアの研究に従事する
身としては、もう一歩踏み込んで考えてみたいとも思っています。つまり、
なぜ何の解決にもつながらないのに、人々はmixiで怒りをぶちまけたのか、
という点が、自分には気になって仕方ないのです。

もちろんメディアの報道姿勢が、問題解決よりは人々の怒りを煽る点に重きを
置いているのは間違いないと思います。でも、ではなぜ人々はそんなに簡単に(?)
「煽られて」しまうのでしょうか。

これは、「メディアリテラシーの欠如」という言葉のみでは説明しきれない
大きな問題のような気がするのです。

「現在の問題は○○が原因なので、△△すれば解決する」という因果関係を
否定するところから、自分がいま籍を置いている学問(社会学)ははじまるので、
自分の考えを説明しようとすると、どうしてもまわりくどい言い方になって
しまいます。恥の上塗りをお許しくださいませ。
2007/07/03 03:28 | URL | 茶有 #8M8yhyFg [編集] | page top↑
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